テーマが衝撃的。最低で最高なトラウマ体験を。【TheBookNook #27】
しかも職業は弁護士。悪徳弁護士……? いえ、サイコパス弁護士。用済みになったペットボトルを捨てるように人を殺します。ある日、そんな主人公の前に斧を持った仮面の殺人鬼が現れるところから物語は進んでいきます。
そう、本作品は、簡単に人を殺す裏の顔をもつ“サイコパス弁護士”と、人の頭をかち割り脳みそを奪う“脳泥棒”のお話。サイコパス VS 殺人鬼。どちらが怪物なのか、どちらも怪物なのか……。
あまりにも残虐で、兎に角ぶっとんだ設定と個性的すぎる登場人物のおかげでスラスラと読み進められましたが、時折まぜこまれた絶妙にリアルな世界観が気持ち悪く、そこがまたこの作品の怖さを増幅させます。
設定の勝利。正直物語の途中から先が読めるのですが、それこそ作者の思うツボ。先が読めるように描かれています。もちろん、先が読める=面白くない、ではなく。彼が選んだ道が彼をどう導くのか、続きが気になるところでエンド。
気がついた頃には、悲惨な物語のその先を自身で作り上げてしまっていました。読者が一番のサイコパスなのかもしれない……。読後に残った、喉奥からくる“違和感”のようなものを、あなたならどう表現しますか……?
■食わず嫌いをせずにいろいろなジャンルを試してみて
冒頭で「トラウマ」