浅田真央さん引退後初のアイスショー「THE ICE 2017」――感謝の気持ちを伝えたい
――そんな感謝の思いを込めたプログラムをしっとりと魅せてくれたあとは、怒涛のフィナーレへ。
「アイ・ガット・リズム」のピアノ演奏に始まり、「カルメン」「踊るリッツの夜」「チャルダッシュ」と真央さんが使用した楽曲の中でもテンポのいいものをメドレーにして、出演者がグループになって踊りつなぎ、会場を盛り上げます。
最後に薄紫の衣装を身につけた真央さんが登場し、「蝶々夫人」を滑り出すものの――今日の蝶々さんは、帰国したまま帰らぬ夫を待つ哀しみを表現するにとどまりませんでした。東側の客席から、蝶々さんの夫に扮した海軍士官姿のジェフリーが現れたのです。
ふたりのデュエットの美しいこと……!試合では見ることのできなかった物語の続きに、客席からすすり泣く声も聞こえました。「蝶々夫人」の筋書き通り、夫は去り、蝶々さんは息絶えるという結末が待っているとはいえ、うれしくも美しいサプライズでした。
グランドフィナーレで観客も踊りまくった後は、キャスト全員で「メリー・ポピンズ」を熱演。真央さんとジェフがそれぞれメリー・ポピンズと親友バートの衣装を着ていることもあって、ミュージカルのような大迫力でした。