大人のナチュラルメイクは「ナチュラルに見せる」メイク
(えっ、そっち?)
「そう、赤です。これくらい塗っても大丈夫なんですよ」
ほぼすっぴんの顔に太めに塗られた真っ赤なシャドウ。
(くまどりかッ!?)
「歌舞伎役者みたいですけどこれくらい塗って大丈夫。このうえからゴールドを塗りますから」。
わたしの心の声はメイクさんにダダ漏れのようです。
■青い服に真っ赤なアイシャドウ
ネイビーのワンピース姿で、べっとり赤いシャドウをつけられ、青ざめているわたしのために、ここでようやくメイクのプロによる詳しい解説が入ります。
「青系の服のときはあえて赤いシャドウを、赤系の服のときはあえて青いシャドウを塗ると、メリハリが効いて顔に明るさが出るんです。逆に、渋めの色で同系色にまとめると、落ち着いた印象にはなりますが、顔が沈んでくすんで見えますよ」
「その年齢だと……」という言葉を飲み込んでくれたのはメイクさんの優しさです。
そう言われると思い当たることあり。そもそも沈んだ色の服を好み、メイクも小物もできるだけ同系色でまとめるのが若い頃からのわたしのルール。
茶系の服ならオレンジかベージュ系に、青系のときは寒色系のシャドーで、黒を着るときは黒いアイラインだけ。