その設定も中途半端なら、タイムトラベルの方法もかなりアナログです。
暗くて狭い場所に入って、両こぶしを握り締め目を閉じて、自分が戻りたい時間と場所を思い浮かべると、その時点に移動している――なんて、なんだか突っ込みどころが満載ですが、そこはご愛嬌です。
タイムトラベルで時を味方につける
父の突然の告白に戸惑いながらも、ティムはその特殊能力を使ってみます。おっかなびっくり小さなタイムトラベルに挑戦するものの、あちらがうまくいけば、こちらがうまくいかず。
でも、ティムは自分や家族、友人が窮地に陥るたびに、めげずにタイムトラベルを試みます。肩をすくめてこそこそと押し入れに入っていくその姿が情けなくもあり、微笑ましくもあり。
やがて、タイミングを外してばかりだったティムの人生は少しずつ好転し始めます。主人公役は『ハリー・ポッター』で、赤毛のウィズリー家のイケメン長男を演じたドーナル・グリーソン。
内気で気弱で、でも誰よりも誠実で思いやり深い主人公を繊細に演じています。
時は流れ、イギリスの片田舎で家族とひっそり暮らしていた地味な青年は、ロンドンに出て弁護士を目指します。
地道な努力が実を結び、ティムは希望の職を手に入れて、やがて、素晴らしい女性と巡り合います。