手に汗握る超展開! 銃規制法案を巡るロビー活動を描く『女神の見えざる手』 - 古川ケイの「映画は、微笑む。」#25
だが、華やかなキャリアとは裏腹に、エリザベスの私生活はボロボロ。
まるで「勝利依存症」とも言える彼女は、眠る時間を削るため眠気止めの強力な薬を常用し、パーティーに顔を出しても楽しむどころか、根回しや裏情報をつかむだけの日々を過ごしている。
交友はゼロに等しく、恋人もいないエリザベスは、高級エスコートサービスで買った男性と欲望を満たしているのだった。
そんなある日、エリザベスの元に、議員たちに強い影響力をもつサンフォードという人物が代表をつとめる銃擁護派団体からの仕事の依頼が舞い込む。
その内容は、新たな銃規制法案に対し、女性の銃に対するイメージを向上させ、規制法を廃案に持ち込んでくれという依頼だった。
だが、エリザベスはこの依頼を断固として拒否。上司のデュポンから「サンフォードの要求に応じる気がないなら、君にいてもらう必要はない」と、お払い箱にされてしまう。
その夜、パーティーに出席したエリザベスは、銃規制法案に賛成の立場をとる陣営を支援する小さなロビー会社「ピーターソン=ワイアット」のCEOシュミットと出会う。
移籍を決意したエリザベスは、翌日、「コール=クラヴィッツ&ウォーターマン」