詩が生まれる瞬間に立ち会う――谷川俊太郎×覚和歌子「対詩ライブ」
言葉を選び直したり、行をまるごと削ったり。詩作の様子はスクリーンに映し出され、詩が生み出されるスリリングな一瞬一瞬を、観客も共有します。
「できました」という声を聞くどきどき感は、ライブでしか味わえないもの。また、短い詩がひとつ誕生するたび、詩人自らによる朗読や解説を聞くことができるのも、ライブならではの魅力でしょう。
ところが、対詩ライブの面白さはそれだけではありません。
観客は、生まれたばかりの詩や創作について、詩人にたずねることができるのです。
■詩や詩人との距離が近くなる
「対詩」では、ひとつの詩が出来あがると相手に詩作を引き継ぐわけですが、次の詩ができあがるまでの時間は待つ方の詩人と観客とのトークタイムとなり、さまざまな質問が飛び交います。
「初めに書かれていたものからまったく違う詩になりましたけど、どういう流れでそうなったのですか?」
「朗読で『工場』を『こうば』とお読みになっていましたが、『こうじょう』という読み方ではないのですね」
谷川俊太郎さんも覚和歌子さんも気さくに質問に応じてくれ、「自分の書いた詩を発表していくにはどうしたらいいでしょう」といった創作の悩みから、時には「才能の源泉とは?」