ブッ飛んでる! だけど切ない『パーティで女の子に話しかけるには』- 古川ケイの「映画は、微笑む。」#30
原作者であるニール・ゲイマンは、本作を「異性が〈異星人〉に思えたあの頃の甘酸っぱい恋の物語」と自ら語っています。
10代の内気な少年にとって、美しい異性は、異星人みたいなもの。本作では、思春期の好奇心旺盛な女の子に振り回されながらも、少しだけ大人になって成長する主人公の姿が描かれます。
◼︎監督はかつて一大ブームを巻き起こした、ジョン・キャメロン・ミッチェル
本作の監督・脚本をつとめたのは、『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』で一大ブームを巻き起こしたジョン・キャメロン・ミッチェルです。
1997年にオフ・ブロードウェイで初上演されるや、数々の賞を受賞してロングランを記録した「ヘドウィグ〜」は、2001年に、ジョン・キャメロン・ミッチェルが自身が脚本・監督・主演をつとめる形で映画化されると、マドンナやデヴィド・ボウイなどのアーティストの熱狂的な指示も後押しとなり、全世界で一大ブームを巻き起こしました。ゴールデン・グローブ賞、インディペンデント・スピリット賞にノミネートされ、サンダンス映画祭観客賞と監督賞をW受賞した映画版『ヘドウィグ〜』は、今もなお「生涯ベストワン」にあげる人が後を断たない名作です。