です。
諸官の集会の際に、その座位を乱したことに対して、朝廷の権威を損なう行為であったと抗議している内容です。
「謹奉書宇右僕射定襄郡王郭公閣下。蓋太上有立徳、其次有立功、是之謂不朽」
「聞之、端揆者百寮之師長、諸候王者人臣之極地」
手紙の下書きの内容は「謹んでこの手紙を右僕射、定襄郡王の郭公閣下に差し上げます。徳を積むのが最も立派なことであって、その次が功を点てることであって、そんな徳や功はいつまでも世に伝えられ、不朽であると左伝も説いています。
また、宰相という立場にあるあなた様は不朽の勲功と業績を際だたせ、定襄郡王という人臣を極めた地位についておられます。」それから手紙は、そんなあなた様が、座位を乱すとは……。という抗議の手紙になっています。
■極と書いてみよう
顔真卿の「争座位稿」に見られる書体の特徴は、まず正義感にあふれているということ。
黙ってはいられずに抗議文をしたためる、その性格の愚直さが表れています。怒りもその中に含まれています。生きていく姿を反映した書体であると思います。
臨書を学ぶ最初の手本として顔真卿をすすめる理由としては、唐の時代の高度な文化の象徴として王羲之と双稿と評されているからです。