くらし情報『『隣の家族は青く見える』リアルな不妊治療と偏見、だけどハートフル!』

『隣の家族は青く見える』リアルな不妊治療と偏見、だけどハートフル!

と鷹揚に受け止めて、話を重くしない。だが、しっかりと「常識的」と言っている。深雪の発言が非常識なことぐらい、誰だって承知なのだ。

似たようなことを言う人が、もうひとりいる。
大器の母・聡子(高畑淳子)だ。聡子はうれしそうにこう話しかける。

「あっちのほうも、そろそろ、ねぇ?」
「子作りに決まってるでしょ!」

聡子に釘を刺すのは、大器の妹・琴音(伊藤沙莉)だ。

「言っとくけど、それ、セクハラだからね!」
「女の人に結婚してるの?とか、子どもいるの?って聞くのですら、デリカシーがないって思われちゃう時代なんだから、気をつけたほうがいいよ」

ときっちり言ってくれる。


「何がセクハラよ!息子夫婦に孫が見たいって言って何が悪いのよ?」と抵抗する聡子には、こうトドメを刺す。

「それ、お兄たちにセックスしろ、って言ってるのと同じだから!」

脚本の中谷まゆみは、近年では『ラスト・シンデレラ』『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』などでヒットを飛ばした人。『校閲ガール』などを見ると、戯画化されたキャラクターを使ってわかりやすくメッセージを伝える人という印象がある。ハートフルなエンターテイメント作品が得意で、深刻なシーンの後には小さな笑いを挿入する。

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