『レディ・バード』は母と娘の愛を描いた静かな感動作 古川ケイの「映画は、微笑む。」#52
と語ります。
「ティーンエイジャーの女の子を取り上げた映画というのは、ある男の子を中心にストーリーが展開されていく場合がほとんど。(中略)でも、実際はそんなに簡単じゃない」
「私が知っている女性のほとんどが、ティーンエイジャーの頃、非常に美しく、とてつもなく複雑な関係性を母親との間に持っていた。(中略)私の知る限りでは、母親と娘の間の愛こそが一番深いと思う」
都会に憧れたり、恋や友情に悩んだりするティーンエイジャーの心情だけでなく、母と娘が相手と理解し合えないことに苦しみながらも、互いを思い合う様子がしっかりと描かれる本作は、グレタにとって「これこそがもっとも感動するラブ・ストーリー」とのこと。
母娘関係の集大成とも呼べる静かな感動のラストに、心が震えます。
◼︎『レディ・バード』のストーリー
2002年、カリフォルニア州のサクラメント。
失業して就職活動中の父ラリー。
看護師として家計を支える母マリオン。
近所のスーパーで働く養子の兄ミゲルとその恋人シェリーと5人で暮らしているクリスティン(シアーシャ・ローナン)は、自分を”レディ・バード”と名付け、周りの人間にもそう呼ばせていた。