「私なんて太ってるから」って言うのやめない? M〜6Lまで展開するブランドのデザイナーが伝えたいこと
その頃から人の魅力ってなんだろうと考え始めたんです」
男性芸人さんたちの衣装を担当した流れで、2004年に舞い込んできたのが、人気女芸人・森三中さんのスタイリストをする仕事だった。
3人と接するようになって初めてSUSIEさんは、ふくよかな女性が置かれていた劣悪なファッション環境を知ることになる。
■「こうすればもっとかわいい」と思いながら作ってきた
大きいサイズの服が完全になかったわけではない。黒や茶などの暗めな色で、合繊のとろみのある素材の“どろーん”として見えるものだったり、通常サイズを単に大きくしただけの、体を余計に大きく見せてしまうものだったり、あったとしても到底おしゃれを楽しめるものではなかった。
「作り手が『(体に服が)入ればいい』という発想なので、ひどいものだとトップスの袖が左右逆に付いていたり、ジャケットが着られても前で閉まらなかったり、首元やアームホールが小さすぎたり、糸の色が途中から変わっていたりするものもありました」
そんな有様だったので、3人の中には男性モノを着せられるメンバーもいたという。ファストファッションに頼ろうと思っても、当時はGUやH&Mなどもなく、ZARAくらいしかない。