映画『ザ・プレイス 運命の交差点』感想。“運命の選択”の先に待ち受けるものは
こんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。
【シネマの時間】第62回は、『おとなの事情』のパオロ・ジェノベーゼ監督が、イタリア映画界を代表する豪華アンサンブルキャストで贈る映画『ザ・プレイス 運命の交差点』をご紹介します!
ローマにあるカフェを舞台に、9人の登場人物の運命が次第に交差する、綿密に練られたストーリーによるワンシチュエーションドラマ。
カフェ「ザ・プレイス」の奥のテーブルには昼も夜も居続ける謎の男。
男のもとには人生に迷いがある人たちが絶えず訪れます。
彼らは願いや願望を男に訴え、男はそれを叶える条件として、さまざまな課題を与えるのですが、がんの息子を救いたい父親は見ず知らずの少女の殺害、アルツハイマーの夫を救いたい老婦人は爆弾を仕掛けることを男から命じられるなど、欲望の代償は他人の運命を大きく左右するものでした。
誰しも悩みや叶えたい願いがあると思うのですが、どんな願望も叶うとしたら、人はどこまでできるでしょうか?
観る者は、それぞれ誰かの悩みに共感しつつ、自分だったらどうするだろうかと自分を見つめ、思いを馳せるでしょう。
イタリア・ローマのお洒落な空気感も魅力的で、さまざまな人生を垣間見ることができる面白さ、舞台のような会話劇に一気に引き込まれます。