ホストファミリーの受け入れトラブル対策について体験者が語る!


■子どもたちの英語を学ぶ動機付けに! 留学生を通し世界を知った10カ月間

――ホストファミリーとして、主夫であるムーチョさんの役割は大きかったと思われます。ご自身のライフスタイルに変化はありましたか?

ムーチョ:基本的に、ホストファミリー側がライフスタイルを変える必要はないんですよ。「お弁当に肉が多い」と言われたことがあったんですが、娘たちは肉が大好き。僕は毎朝3人分のお弁当を作っているので、彼女のために別のものを用意することはしません。 「食べないなら仕方ないね。でも変えないよ」というスタンスです。

――15歳というと難しい年頃ですし、トラブルはなかったのでしょうか。

ムーチョ:朝寝坊するとか、手伝いをサボるとか、小さなトラブルはたくさんありましたよ。
彼女は背が高くて見た目は大人みたいでしたが、中身はまだまだ子ども。娘たちと同じように叱っていたので、「うざい」と思われていたかもしれません。例えば、露出の多いファッションを注意したら、「日本人は気にしすぎ」と言われ、「ここは日本だから合わせるべきだ」と言い合いになったこともありました。しょせんは他人同士なので、意見をすりあわせるのは大変。でもその分、分かり合えた時の喜びはひとしおでしたね。
ホストファミリー、留学生、ドイツ
――娘さんたちも、仲良くなれましたか?

ムーチョ:次女はすぐになついて、いつも一緒に遊んでもらっていました。長女とは趣味が合うようで、一緒にアニメのイベントなどに出かけていたようです。娘たちと仲良くしている姿を見るのは、親としても楽しく幸せな気分でしたね。
ただ、彼女が日本語を身につけるスピードがとても早くて、娘たちとの会話は日本語になっちゃったんですよ。なので、英語力は思ったほど伸びなかったのですが、英語・ドイツ語・日本語を操る彼女を通して語学の大切さを学べたのが何より大きいと思います。海外に行って、外国の人と話すのは楽しい。楽しむためには英語を勉強するのが必要不可欠。というように、英語を学ぶための、長期的な動機付けができたと思います。

――今後もまた、ホスフトファミリーをやりたいと思われますか?

ムーチョ:もちろんです。彼女が帰国して以来、「38歳になってこんなに寂しいことがあるのか」という気持ちを味わっています。妻の方は割とドライなんですが、一緒にいる時間が一番長かった僕が一番つらいんですよね。
10カ月間ホストファミリーをやってみて気づいたのは、情報の少なさ。そこで、Facebookで、ホストファミリーが情報交換できるグループホストファミリー・ジャパンを立ち上げたんです。例えば、僕が利用していた仲介業者では毎月1万円が支給されていたのですが、調べてみると1日2000円のところもあるんですよ。そういった情報も、知らないと損をしてしまいます。日常のちょっとした悩みやトラブルなども、ホストファミリー同士で気軽に話し合える場にしたいと思っています。

ムーチョ:なかには『英語が話せないから』とか『部屋が狭いから』とホストファミリーを諦めている人もいますが、まったく問題ありません。言葉が通じなければスマートフォンの翻訳アプリなどを使えばいいですし、お子さん2人と同じ部屋に留学生を受け入れている家庭もあります。お金をかけずに英語や異文化が学べるホストファミリーを、ぜひみなさんにもおすすめしたいと思っています。

ホストファミリー、留学生、ドイツ
ムーチョ PROFILE

主夫歴約10年。WEB漫画家。慶応義塾大学卒業後、オリエンタルランド人事部を4年で退職し、2007年より専業主夫として家事・育児全般を担当。ウェブ漫画を執筆しながら、外国人留学生を受け入れるホームステイを身近にする活動をしている。
ホストファミリー・ジャパン
ムーチョ
育児と家事4コマ漫画ブログ「カタルエ」

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