連載記事:完全版! 妊娠・出産のお金 2019年度版
つわり、切迫早産、帝王切開…「もしものとき」もらえるお金【完全版! 妊娠・出産のお金 2019年度版】
イラスト:ねここあんな。
元気なときは、あまり意識することのない「社会保険」という存在。けれども、不調な時には、日本には「社会保険」というセーフティネットが張り巡らされていることに気がつきます。妊娠・出産は、そんなセーフティネットの存在に気が付くための機会となるかもしれませんね。
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「最新版! 妊娠出産「もらえるお金」と「かかるお金」一覧」
■妊娠悪阻(つわり)がつらい! 傷病手当を申請するには
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つわりは、本当に苦しいものです。また、妊娠は、身体にとっては大きな出来事! ママ自身の身体の声を聴き、自分自身で身体を労わってあげて欲しいと思います。
会社員の場合には、
傷病手当金を使える場合もあるので、会社に相談してみましょう。
●傷病手当金
病気休業の時の生活補償制度
■「切迫流産・早産」でもらえるお金
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筆者も切迫流産・早産で3ヶ月間、入院したことがあります。そのとき、看護婦さんの「母胎は、赤ちゃんにとって大切な保育器。あなたにとって妊娠期間は数ヶ月だけれど、赤ちゃんにとっては、一生を左右する問題なのよ!」という言葉は一生忘れられません。
経済状況などを考えると、無理をして働いてしまうことがあるかもしれませんね。そんなときは、この言葉を思い出して欲しいと思います。
会社員の場合は、
傷病手当金を使える場合もありますので、会社に相談してみましょう。
●傷病手当金
病気休業の時の生活補償制度
●高額療養費
医療費が一定額以上の場合は超えた分を健康保険が負担してくれる
■「帝王切開」でもらえるお金
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「妊娠・出産(正常分娩)は、病気ではないので、経過が順調であれば
健康保険は使えません。しかし
帝王切開は、社会保険の制度上は
「異常分娩」という扱いになり、通常分娩と同じく
「出産育児一時金」がもらえるとともに、健康保険制度の中の
「療養の給付」が支給されることになります。
このうち「療養の給付」が「自己負担限度額」を超えていた場合は、
高額療養費制度の対象にもなります。
●出産育児一時金
健康保険からの出産費用助成金
●高額療養費
医療費が一定額以上の場合は超えた分を健康保険が負担してくれる
■双子出産でかかった費用は
健康保険の「出産育児一時金」は、「出産一人につき42万円」が支給条件です。双子など多胎の場合は、
人数分が給付されるので、たとえば双子の場合は、次の計算となります。
「@42万円 × 2人」
申請には、医師や助産師による「多胎」の証明が必要なので、書類を用意しておきましょう。加入している健康保険によっては、子供の人数分の申請用紙が必要な場合もあるので、あらかじめチェックしておくと良いですね。
●出産育児一時金
健康保険からの出産費用助成金
■「流産・死産」だった場合も給付の対象になる
残念ながら流産や死産だったときにも、
出産育児一時金は支給されます。出産育児一時金が支給される流産、あるいは死産の週数は、4ヶ月(85日以上)。
出産費用は公的医療保険から産院への直接支払いが原則。流産や死産の時も出産育児一時金の制度を使えることは、頭の片隅に置いておいても良いかもしれません。
●出産育児一時金
健康保険からの出産費用助成金
※この記事は2019年3月現在の法令・情報に基づいて書いています
(監修:畠中雅子)
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