■繰り下げると受給率が増える老齢年金
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ここまで読んで、「年金、やっぱり、面倒くさい」と、ちょっと憂鬱になってしまいましたか?(笑)。 では最後に、とても大切なことをお伝えして、本連載を終わりましょう。
年金は繰り下げると、受給率が高くなる
年金を「繰り下げる」とは、年金の受給開始年齢を遅らせることをいいます。次の表のとおり、1ヶ月繰り下げるごとに受給額が0.7%増える計算で、今は、70歳が後ろ倒しにできる最高齢です。
ちなみに、70歳から受給を開始すれば、増額率は42%! つまり142%の年金がもらえるんです。
なかなか、すごいスゴイ数字だと思いませんか?
●老齢年金の繰り下げ受給の増額率
■65歳までに1560万円を!
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そうは言っても、現状、多くの人の定年は、65歳。年金の繰り下げの恩恵を最大限に利用できる70歳まで年金を受給しないとなると、65~70歳の生活費を確保しておく必要があります。
たとえば、第2回でご紹介した
「金融審議会」のモデル家計を例にとって、65歳~70歳の生活費を試算してみましょう。モデル家計の毎月の生活費は、26万円でしたから、これの5年分。具体的には、1,560万円です。
生活費月26万円×12ヶ月×5年=1560万円
一言で、「65歳までに1560万円を貯める」といっても、30歳、35歳、40歳では、老後までの持ち時間が違います。そうなれば、毎月の貯蓄目標額も違ってきます。残りの月数から逆算した、毎月の貯蓄目標額を表にしてみました。
●スタート年齢から逆算する老後資金貯蓄額(1,560万円の場合)
(筆者作成)
■年金を自分事として考え始めることが大切
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いかがでしょう? 具体的なベネフィット(それをやることで得られる未来)を知れば、自分年金について少しはヤル気が出てきませんか? こんなふうに、少しずつでも、年金に対しての知識を増やしていくことが、今は大切な時期なのだと筆者は思います。
私はマネー記事の取材を通じて、日本の年金制度は、「最低限の生活保障」というカタチになっていくと予測しています。NISAのモデルとなったイギリス、iDeCoのモデルとなったアメリカ、両国ともに年金の自助努力を促すために税制優遇制度を作り、年金は「最低限の生活保障」という位置づけです。NISAやiDeCoが「輸入」されてきたのですから、日本の年金政策はイギリスやアメリカと同じ方向に舵を切っていると考えるのが自然でしょう。
老後までの時間が、まだある今だからこそ、「自分らしい老後」を送るために、年金に対して学び始めること。それは、ライフデザインも含めて、「未来の自分」について考えることでもあると思います。
●「老後までに2000万円貯められる?」第4回のまとめ
1)「ねんきんネット」の利用登録をして将来の年金額を試算してみる
2)年金の「繰り下げ」を知る
3)まずは、65歳までに1,560万円を貯金しよう
※本連載で紹介する制度などに関する情報は、2020年2月26日時点のものです。
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