pecoさんが、本当は「あの時に」伝えたかったこと。初エッセイ『My Life』書評
本に書かれているのは、pecoさん自身の『My Life』だ。pecoさんが大切にしてきた家族の話や、飼っている保護犬のこと、子育てのこと、そして、ryuchellさんのこと。2022年時点のpecoさんがこれまでを振り返る半生記だが、さまざまなエピソードを通して、彼女の考え方や課題との向き合い方、多様性との向き合い方などにも触れられていく。
当時、pecoさんが実践しようとしていた“新しい家族のかたち”については、世間の中でさまざまに憶測され、彼女を心配するような声もあれば、糾弾するような声も上がっていたように記憶している。しかし本では、彼女の決めたことへの覚悟や、自身が何か選ぶ時の責任について、彼女自身の言葉で書かれていた。
第1章の一節には「結婚も出産も……覚悟を持って決めた」ともあり、彼女がどれだけ強い責任感を持って、結婚や出産という道を選んだかも語られている。キャリアや結婚など人生において何か決断を迫られた時、自分はそこまでの覚悟を持ってその道を選ぶことができるだろうか。思い返せば楽しそうだから、と軽い気持ちでその道を選んでしまうこともあった。
ただ、pecoさんはそこに強い意志があったのだと、ひしひしと伝わってくる。