かつてない共感。珠玉の言葉でつづられた、17人の女性の「個人的な性の話」
ネットではどうしても気軽に聞こえるように語られがちだが、そんなふうにカジュアルに消費できるほど、軽い悩みではない。
だけど、自分が女であることは変わらないし、悩んでも仕方ないから、笑い話にして消化していたり、悩みということにすらせず、時間で解決しようとしていたり。トークショーとしてではなく、テンション感の伝わらないエッセイ本として読んでみた時に、自分自身が「自分の性や身体」から目を逸らしていたのだということに気づく。
人によるかもしれないが、私自身は大人になってからの方が、性の話がしづらくなったように感じている。友人も自分も積極的に恋愛して、異性とトラブルになったり悩んだりすることが多かった20代前半は、自然と性にまつわるエピソードを周囲とシェアし合っていた。だけどアラサーになると、特定のパートナーと落ち着いた生活を送っている人も多く、すると自然と性が話題に上がらなくなってしまった。
日常的に話さなくなると、途端に性について話すことそのものが恥ずかしくなってしまったし、話す相手もいないので、深堀りして悩むこともなくなった。だけど本当は、悩むことを辞めて諦めていたのかもしれない。
たくさんの女性の赤裸々な語りに触発されて、自分の気持ちに気がついた時には少し涙が出た。