かつてない共感。珠玉の言葉でつづられた、17人の女性の「個人的な性の話」
■身体を自分のものにできるのは、自分だけ
本の帯に書いてあった「私の身体は私だけのもののはずなのに」という言葉の意味。最初はいまいちピンと来ていなかったが、読み終わってみるとなんとなく分かる。
私たちは気づかないうちに、自分の母親やパートナー、異性、自分の子どもなど、誰かのために身体を明け渡してしまっているのかもしれない。「女なんだから」とか「彼女なんだからこうしてよ」とか「結婚したんだからちゃんとしなくちゃ」とか、知らないうちに誰かの押しつけてくるイメージに合わせて、自分を変容させてしまうことがある。
柔軟性があるのはいいことだ。だけど、実は押し込められている自分がいるのなら、気づいてあげられるのも自分だけだ。少なくとも17人もの女性が、自分の性、そして身体と向き合い、許容しようとしている。それだけでも背中を押されるし、まずは「自分も、自分のことをもっと考えてみたい」と思わせられる。
読了後、私は仲のいい友人にもこの本をすすめてみた。するとその子も「わかりみが強すぎて泣いた」と言っていて、どのエピソードに特に共感したかを語り合っていたら、夜中になった。
まだ性についての話しづらさは消えないが、親しい人に自分の悩みを吐き出すきっかけになった。