2015年7月19日 19:30
ハイスピードな東京に乗っていく止まらないデザイン。グエナエル・ニコラに聞く、日本のデザインの未来【Interview】3/4
コンテンツマネージメントデザイナーという役割ですね。
――今回、作品集と一緒に発表された香水ボトルのデザインは非常に日本的ですね。おまけに桐の箱入りです。
ボトルの制作をお願いした菅原工芸硝子さんには最初直径8mmの瓶口をリクエストしたのですが、このデザインは無理だと断られました。しばらくして9. 2mmまでしか無理でしたと、申し訳なさそうにサンプルを持って来られました。ガラス工芸職人がチャレンジしてくれたんです。デザイナーにとってはその誤差は全然OK。私は涙が出るほど感動しました。
フランスだとOK、出来ますと言って、8mmのオーダーが3cmで来ることもある。日本のクラフツマンシップの技術はすごいですよ。
――フランスやイタリアの技術も高いと思いますが?
確かにそれはそうです。ヨーロッパの職人と日本の職人の技術はすごく似ています。違うのはそのプロセスです。ヨーロッパの場合、目的は完璧に近づけることで、アルティザンとインダストリアル製品の境目がどんどん近くなってきています。日本は完璧を目指しているのですが、完璧なものを一度壊して、捻り(ツイスト)を加えて、また違うクオリティを生み出します。