二人三脚で生まれたアキラナカの“クチュールニット”に込められた技と熱量【対談】中章×早川靖子--1/2
ニット教室なども一軒一軒当たってみたんですが、一個だったら作れるけど、2つ3つと同じものをしっかりと出すことが、すごく難しいと言われて…」
「やっぱりハンドニットを量産するのは無理なんだ、と思いはじめた頃、僕が外部でデザインコンサルティングをしていた時に、クライアントから『すごいニットを生み出す先生』がいるという情報を得ました。『中さんが思っているニットを、その人だったら作れるよ』って。すぐ連絡して、会って頂いたのが、アトリエ Manoaの早川靖子さんでした」
運命の出会いだった。当時の様子を早川はこう振り返る。
アントワープで「新しいニットを作りたい」という思いをあたためたという中
「突然電話が掛かってきて、どうしても作りたいニットがあるから会って説明させてくれないかと言われました。私自身も“若く才能あるデザイナーを応援したい”という気持ちがあったんです。彼が“ニットをブランド特有の素材として、世界に打って出て行く”、そのお手伝いをしたいと素直に思えましたね。彼は海外から帰ってきたばかりで、大きなバッググランドは持っていないけれど、いいニットを作りたいという気持ちが言葉の端々に溢れていました。