「レオナール・フジタとモデルたち」展が開催、モデル研究の集大成として挑んだ壁画の大作も公開
「モデル」をテーマにフジタの描いた人物、モディリアーニやジャン・コクトーといった芸術家、職業モデル、身近な友人や5人の妻たちを様々な視点から取り上げ、フジタの思考とモデルに注ぐまなざしを再検討する。また、フランス、エソンヌ県の特別協力により、フジタがモデル研究の集大成として群像表現に挑んだ壁画も展示。「構図」と「闘争」を主題とした連作壁画は、3×3mのカンヴァス4点に人物、動物が描かれた大作で、フジタが挑んだこの群像表現は、後の戦争記録画を考える上でも重要だという。会場では、フジタ自身が被写体となってトレードマークのおかっぱ頭に丸眼鏡、カメラ目線でポーズを決めた写真をはじめ、フジタの最初の妻であった鴇田とみにフジタが宛てた書簡や、中南米旅行で蒐集した土偶・石偶、最後の妻、君代に贈ったハンドペイントの木箱なども展示される。会期中には、講演会やギャラリートーク、ワークショップなども開催される予定だ。なお、府中市美術館では、名古屋市美術館、兵庫県立美術館から巡回する「生誕130年記念 藤田嗣治展 東と西を結ぶ絵画」が、10月1日から12月11日まで開催。学生時代の自画像、乳白色の裸婦、戦争画、最晩年の宗教画といった初期から晩年までの画風の変遷を辿る内容となっている。