京都祇園の伝統的“町家”がエルメス期間限定ブティックとして再生
にある。一方で1837年、馬具工房としてフランスで創業したエルメスは、その伝統と共にある美しい手仕事を頑なに守りながら革新を続け、時を超える価値を生み出してきた。今回、日本とフランス、異なる文化を持ちながらも、伝統と革新、職人の技、ものづくりへのこだわりが京都とエルメスを結び、伝統的な町家を舞台とした期間限定ブティックが実現した。
改装前は、住居や茶屋として利用されていたというこの町家は、花見小路に馴染んだ情緒ある佇まい。入り口の引き戸を開けて、暖簾を潜り、エルメスの世界へ誘われる――。
「エルメス祇園店」
釘や接着剤を一切使わず、格子状にはめ込み組み立てた「木組み」という伝統的な技法が用いられた壁面。京友禅着物の老舗 千總が1枚1枚グラデーション染めを施したシルク布を用いた什器。建築家・鬼木孝一郎率いる鬼木デザインスタジオが手掛けた内装設計には、随所にものづくりに対する誠実な精神が宿っている。
1階フロアの中央カウンターでは、エルメスを象徴するオレンジカラーに染まった洗濯機と乾燥機が出迎える。これは、エルメスが今回用意したとっておきのおもてなし。日本では初となる「HERMESMATIC」