2018年8月11日 13:00
光と緑、建築美が織り成す現代の“桃源郷”。「ミホ ミュージアム」で自然とアートの刺激的な融合体験
トンネルを抜け、渓谷に渡された全長120メートルの吊り橋を経て到達する美術館棟。そのエントランスホールは不思議な律動感で満たされている。丸窓のついた大きなドアが音もなく左右に開くと、ルーバー越しに柔らかな光を浴びて、狭い風除室に入る。さらに内側の扉が開くと、ガラスルーフが歩調に合わせてゆっくりと上昇。視界の広がりとともにルーバーが複雑に角度を変えながら、穏やかな山々が連なる大パノラマへと導いてくれる。
「自然と建物と美術品の融合」をテーマに、美術館棟の約8割が地中に埋設された構造になっているが、明るい太陽の光や豊かな木々のぬくもりを直に感じられる空間は、それをまったく感じさせない。幾何学模様に張り巡らされたガラスのアトリウム構造は、光との調和に加えて、窓の向こうに見える樹齢180年の松の枝ぶりや、その先に望む湖南アルプスの山並みまでも見事に計算し尽くされており、その幻想的な風景は屏風絵のような美しさだ。また、館内のレストラン、カフェ、ミュージアムショップも訪れる楽しみの一つだろう。レストランとカフェでは、そば、うどん、おむすびなど、和食の魅力を凝縮したメニューの他、季節の和洋菓子、コーヒー、ハーブティー、ワインなどを用意。