アーティスト・田中麻記子と森岡書店店主・森岡督行の展示と本と恋のお話【INTERVIEW】
FH:麻記子さんの絵の表現はすごく多様ですよね、描き分けてたりするんですか?
麻記子:もともとモノクロームだけのダークな世界の細かい表現と、真逆のサイケデリックな大きな油絵の2つを描いていたんです。ずっと黒白で描いてたら頭の中でカラーが浮き上がってきて、カラーに溺れそうになったら黒白の世界に戻ってという繰り返しでした。その途中で、フランスに行くことが決まり、自由に絵を描くようになって、好きな食べ物とか音楽とか、幻想の世界じゃなくて、現実に自分が好きなものをシンプルに描くということを久しぶりにやって、すごくそれが楽しかった。それを描き続けて誕生したのが1冊目の食べ物コレクションの本『La collection gastronomique(ラ・コレクション・ガストロノミーク)』でした。それから、イラストレーションの依頼が増えていったんです。
実は、ピエール・エルメ・パリのマカロンのイラストレーションを担当した時に、初めて点と線で描いた簡素な女の子のキャラクターが生まれたんです。それはそれでひとつのスタイルになっていきましたね。
FH:ピエール・エルメ・パリさんがきっかけで、かわいい彼女たちが誕生したんですねー。