手作業の仕上げを堪能。スイス高級時計ブランド「ローマン・ゴティエ」の最新鋭のスケルトンウォッチ
その代表的なものが面取りです。面取りの美しさは、表面と側面の間の部分に面を作り、その面に磨きを施すことで生まれます。面取りは次のような工程に分かれます。1.スチールのやすりで丸みを帯びた面取りを行う 2.アルミナで面を整える 3.エメリーペーパーを用いて仕上げる 4.ジャンシャン(ジュウ渓谷に自生するリンドウの一種)の茎からできた棒とダイアモンドペーストを使用して磨く
受け(ブリッジ)と地板のスケルトン化は、高いスキルをもつ面取りのチームをもってしても、初めての取り組みばかりでした。まずスケルトン化に伴い、156もの角が生まれました。とくに内側の角は手作業で使う道具が入りにくく、困難を極めました。そしてチタン特有の素材の問題もつきまといました。
ローマン・ゴティエの面取りチームの責任者であるシルヴィー・デヴォ―は次のように述べます。
「面取り職人としてのキャリアは17年になりますが、チタンをこれほどまでに用いたムーブメントに携わったのは初めてです。これまで真鍮、スチール、金、洋銀などを扱ってきて、チタンもロジカルワンのコンスタントフォース機構の部分に用いていますが、この部分だけでも手作業での仕上げに約20時間費やします。