綾瀬はるか×坂口健太郎映画『今夜、ロマンス劇場で』運命なんて飛び越えて、私はあなたに逢いに行く。
まさにはまり役だった、ということでしょうか。
坂口:綾瀬さんも僕も、自身と役との乖離はあんまりなかったと思います。劇中では美雪が健司をリードするシーンが多いのですが、綾瀬さんは現場でもムードメーカーで。僕が自分の性格を「誠実で、柔軟で」と表現すると、綾瀬さんが「またまた~」という感じでいじってくれたりして、引っ張っていってくれました。
綾瀬:カメラが回っていない間もこんなやり取りをよくしていたので、すんなりと映画の世界に入り込むことができました。
劇中はカラフルなセットや景色であふれていますが、中でも印象に残っている撮影場所はありますか。
綾瀬:タイトルになっている“ロマンス劇場”の舞台となった、栃木県にある旧映画館・足利プラザかな。約20年前に閉館になった劇場なんですが、昔のまま残されていて。
その廊下に鮮やかなタイルを埋め込んだりすることで、クラシカルでカラフルな映画館が出来あがっていました。撮影していても、すごく楽しかったですね。
坂口:実は劇場内に貼られている作品ポスターに描かれている人物のモデルは、この作品のスタッフさんたちなんですよ。映画館の上に実際にあった試写室はノスタルジックな雰囲気の小さな部屋なんですが、健司の心の拠り所になっているような場所でもあったので、印象深いですね。