2018年8月24日 05:00
映画『楽園』吉田修一の「犯罪小説集」を瀬々敬久監督で映画化、綾野剛・杉咲花ら出演
Q.杉咲さんは綾野さんの現場での姿に感銘を受けたようですが。
綾野:杉咲さんは潜在的にちゃんと自分のスイッチを持っている人ですよ。コントロールするっていうあざとさではなくて、その場の空気をちゃんと大切にできる人。ずっと役に入り続けることもできますが、何でもないときは話をしたりコミュニケーションもとれる。
今回、僕と杉咲さんは、ちゃんと心を通わせないといけなかった。杉咲花という人と、時に鏡のように照らし合わせて、ちゃんと向き合って作品を作っていけたと感じています。
Q.ところで、原作・吉田修一さんの「犯罪小説集」は読まれましたか。
綾野:小説が原作の場合、元々読んでしまっている場合は仕方ないのですが、基本的には撮影前には読まないです。
台本は設計図のような形で、おおまかなことしか書かれていないのですが、小説は、おおまかだとストーリーが伝わらないので、事細かに書いている。どんな服を着ているか、どんな表情をしているかはわからないのに、感情がたくさん描かれている。なので、良くも悪くも引っ張られてしまうんです。ある種の演出なんですよ、小説って。
原作を読んでも引っ張られない人もいるとは思うのですが、僕は単純というか、引っ張られちゃうこともあるんです。