映画『ダンサー そして私たちは踊った』ライバル心から欲望へ、ジョージアを舞台にしたあるダンサーの物語
日中のハードな練習の後はレストランでのアルバイトで家計を一手に引き受け、気持ちの休まる暇もない。そんなある日、カリスマ的な魅力のあるイラクリが入団し、同時にメイン団の欠員補充のためのオーディションの開催が知らされる。イラクリの持つダンスの才能に驚き芽生えたライバル心が、オーディションに向けての2人だけの特訓を経て、憧れと抗えない欲望へと変化していく……。
レヴァン・アキン監督「これはジョージアへのラブレター」
2019年のカンヌ国際映画祭でのプレミア上映を皮切りに各国で高い評価を獲得しているほか、第92回アカデミー賞国際長編映画賞部門スウェーデン代表に選出されるなど、各方面から高い注目を集めている本作だが、国内最大の教徒数を持つとされる「ジョージア正教会」は、同性同士の恋愛を描いた本作が「ジョージアとキリスト教の価値を貶める」として、上映中止を求める声明を発表。右翼部隊が上映に抗議し映画館に突入しようとするなど、舞台となったジョージアでは空前の騒動となった。
ただし、自身もジョージアにルーツを持つ監督のレヴァン・アキンに言わせれば、本作は“ジョージアへのラブレター”。2018年の「のむコレ」