2021年10月17日 17:28
【SUPER RICH感想 1話】眉なし、すっぴんで吠えるヒロインの強烈な存在感・ネタバレあり
そんな危うい衛の前に現れるのが、貧乏学生の春野優(赤楚衛二)である。
衛の会社でのインターンを希望しつつ、困ったひとを助けて大事な試験に遅れる。名の通り優しい青年なのだろう。
※写真はイメージ
でも遅刻の連絡も失念し、土下座で衛に採用を懇願して無策ぶりを印象づけてしまう。
そこで面倒なやつ、これ以上関わるべからずと、手切れ金めいたお金を渡されれば普通は心が折れるところ、春野青年は図太かった。
その後も金策に奔走する衛の周囲に諦めずに出没する。あらゆる機会の平等から見放された青年は、しかし、社会の善なるものを強く信じているように見える。
社会的には強者だがどこか危うい衛と、社会的に持たざる者だが精神的には滅法タフな優の二人が、ようやく接点としてまともな会話を交わす場がラーメンの屋台だということはとても象徴的だった。
どんな生き方の人間も、どんな階層の人間も、何かを食べねば生きられない。
最初は自分一人だけラーメンを食べていた衛が、やがて優に分けようと思いつき、ラーメンと煮卵を二つに分ける。
自分がまずはある程度満たされねば他人に分け与えることはできない。そして食べ物を美味しいと感じられる恩恵は、誰にでも平等である。