2021年7月10日 11:18
TBS新ドラマ『TOKYO MER』第1話感想 スピード感に、週末の憂うつが吹き飛ぶ
はどこかに吹っ飛んで、身を乗り出して画面に魅入っていた。
あまりの疾走感に「事件パートがこんな過激な密度では、見ていて1時間集中力が持たないのではないか」と一瞬不安がよぎる。
しかし、クライシスのシーンとそれ以外の緩急はかなり見やすいようにつけてあり、MERの存在自体が東京都と厚労省の争いの焦点になっているという中間の描写は、いかにも日曜劇場らしい毒のある『タメ』の効いた一連であった。
名作を生み出してきた、TBSの日曜劇場枠
もちろん物語の盛り上がりは序盤だけではない。
第1回目の終盤で更なる過酷な災害現場にMERは挑むことになるし、その盛り上げ方の波も見事で、初回延長版だけで1本の映画を見たような濃密さであった。
TBSの日曜劇場は、常に最大公約数を目指している枠だと思う。週末を締めくくるこの時間で、明日から仕事や学校に戻っていく多くの人たちを勇気づけたいという心意気を感じる。
だからこそ、この枠の作品には上質で信頼できるものを見ているという安心感と、浮世の憂さが飛ぶような予想のつかない面白さ、緊張感の相反する要素がいつも詰め込まれている。
そうして日曜劇場は2010年以降もテレビドラマ『半沢直樹』や『JIN-仁-』そして『99.9−刑事専門弁護士−』といった傑作を生み出してきた。