【TOKYO MER感想 7話】境界をつくらないということ・ネタバレあり
そして、その医療者の信念に立ち塞がるのが、現場で指揮を取る公安警察の月島しずかである。クールで厳格な警察エリートを稲森いずみが好演している。
喜多見と対照的に、月島は明確な境界線を引くことで秩序と安全を守ろうと考えている。判断の速さ、部下への的確な指示。決して無能ではない。
月島は「テロなど、この国には存在しない。国民の安心を守るために誰にも知られず未然に防ぐ」と断言し、病状の癒えないままの外国人労働者を容赦なく追い詰めて取り調べる(後になってテロ予告がはったりであること、月島はそれを推測していたことも明かされる。はったりと感づいてなお取り調べを緩めない月島の、むごいほどの厳しさが際立つ)。
線を越えようとする者、線を厳しく引く者。相反する2つの価値観は、赤塚都知事の判断とMERチームの必死の訴えかけで何とか救命に舵を切る。
おりしも、現実の外国人労働者の数々の問題と引き合わせて考えた時、ドラマは理想であるとしても、そのギャップにため息が出る。
『TOKYO MER』第7話の手術シーンは特に魅力的
最終章スタートの今回、いかにもMERチームらしい滑らかな連携の手術シーンが素晴らしい。