2018年10月11日 11:00
封建的な日本の医療に挑む「60カ国の子どもを診た女性医師」
カナダ人の歯科医と結婚したのは’79年。’80年に長男、’84年に長女を出産。子育て期間に、カルガリーからシカゴへ転居した。
「どちらの国でも、3日に1回は当直がありました。体力的にきつかったですが、分業システムがしっかりしていて、当直の日以外は、5時きっかりに帰宅できる。日本では、夜遅くまで仕事するのが常態化していて、それが女性医師の活躍を阻む一因とも言えますね」
アメリカでは、託児施設も充実していた。
「朝7時から利用できて朝食も提供してくれる。時給1ドルでベビーシッターを引き受けてくれる学生もいました。
私が育児と仕事を両立できたのは、こうした子育ての環境が整っていたからです」
’86年、離婚をきっかけに帰国。’92年に現在のクリニックを開業した。
諏訪こどもクリニックの待合室には、日本人患者のなかに、英語の絵本を読みながら順番待ちしている外国人の子どもが交じっている。ワクチンなどのお知らせの貼り紙は、日本語と英語が併記されている。
「ここで開業したのは各国の大使館が近くにあるから。英語の診察ができますし、簡単な問診なら、フランス語やスペイン語、ドイツ語でも対応できます」