「登山ブームで命を守る」国際山岳医・大城和恵さんの闘い
白衣姿で外に出て、目の前を通る登山家たちに高山病や脱水症、低体温症の怖さを伝えることも。山岳医療は、予防してナンボですから(笑)」
大城さんは、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)が、’13年秋に敢行したイモトアヤコのヒマラヤ山脈・マナスル登山(登頂まで約1カ月間。標高8,000メートル)にチームドクターとして参加。登山家でプロスキーヤーの三浦雄一郎さん(86)が、’13年5月23日に世界最高齢記録を打ち立てた、標高8,848メートルのエベレスト登頂にも同行した。
「イモトさんは、ほんとうによくがんばったと思います。挑戦を前に、日本でしっかりトレーニングを積んできていたんですね。私は、歩くスピードや水分調整、酸素ボンベの残量チェックなどでケアをしました。登頂を成し遂げたときはうれしかったですね」
大城さんは、今年5月17日、世界最高峰のエベレスト登頂に挑み、成功した。
まったくのプライベートであり、総額700万円の費用の一部は借金しての挑戦だった。ルートは難易度の高い中国・チベット側からだ。
「生きていく限界の高所で酸素ボンベをどう使えば、トラブルなく登頂できるか――。