原作者・魔夜峰央「経済的苦境を救ってくれた『翔んで埼玉』」
住まいは、憧れた東京のような都会ではなく、のどかなねぎ畑に囲まれた一軒家。東京とは異なる時間の流れと、風景。そこで思いついたのが、『翔んで埼玉』だった。
「でも、作品は3話で終了しました。所沢から横浜に引っ越したためです。住んでいない土地のことをちゃかすことはできませんから」
プライベートでは、ファンイベントに参加していた、当時高3だった芳実さんに“一目ぼれ”し、’84年に結婚。2児にも恵まれ、パタリロもわが子のように育てたが……’11年ごろから苦境に追い込まれる。
「単行本が以前ほどは売れなくなって、経済的に苦しくなった。
“この先どうなるんだろう”という不安な時期が、数年間も続きました」
最終的に税金を滞納せざるをえなかったこともあった。
「印税が入ったそばから徴収されてしまいました。『パタリロ!』全盛期のときに買っていた宝石や貴金属も、売り払った。バレエダンサーだった妻が自宅の地下に作ったスタジオで、バレエ教室をやっているのですが、その収入にも助けられました」
しかし、ついに「妻と『このままでは自宅も手放さなければならないかもしれない』と話していた」