くらし情報『六平直政が語る大杉漣さんとの出会い「横浜のバイト先で…」』

2019年3月25日 06:00

六平直政が語る大杉漣さんとの出会い「横浜のバイト先で…」

「雅貴とはロシアで一緒にご飯も食べたし、その現場で彼はロシア人通訳の女性と恋に落ちて結婚したのよ。そのころに『おまえが映画監督になったら俺が出てやるから』と約束したんだって。言ったのかな?……確かに言った(笑)」

そんな言葉に、共に現場を過ごしたスタッフへの愛情を感じる。

「役者は誰が出たって一緒。やっぱり、いい演出家、いい監督、いい本書きと出会うしかないよね」

作品の大小を問わず、仕事を重ねてきた六平だが、俳優を続けていく自信を得たのは40代になってからだという。無名時代を共に歩んだ盟友に大杉漣がいた。

「当時は、お互い役者とも知らず、バイト先で出会った20代の働く若人。夜中の横浜『そごう』で一緒に売場の吊り案内をかける仕事をやってた。
類は友を呼ぶのかな」

役がかぶって取り合うこともあったが、その大杉も昨年急逝した。

「いまは俺とかぶる役者もいなくなって。かぶるのはお笑いの小峠。俺を縮こませたみたいな男だなと。役者じゃないから、俺の足元にも及ばないけどね(笑)」
バイプレーヤーの楽しみは「メインプレーヤー(主役)の演技を間近で見られること」だと言う。大胆にして繊細、豪快にして謙虚。こわもての下の素顔が垣間見えた。

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