伊藤蘭 41年ぶりの歌手復活「アイドルも育児も私の糧に」
同時に受かった田中好子さん、藤村美樹さんと組んで、トリオを結成する。そのとき、NHKスタッフが命名したグループ名が「キャンディーズ」だった。
’73年9月、『あなたに夢中』で歌手デビュー。しばらくはヒットに恵まれなかったが、デビュー前からザ・ドリフターズの『8時だョ!全員集合』にレギュラーとして出演し、お茶の間では大人気。
スターダムにのし上がったのは、センターを田中さんから蘭さんに交代した5曲目『年下の男の子』(’75年)の大ヒットからだった。
「いまでこそアイドルというカテゴライズはありますが、あの当時は、なかったんですね。『私たちはアイドルです』という認識では活動していなかったと思います。3人の意識としては、歌手でした。
歌があるから、バラエティもやっていい。でも、真ん中は歌で、歌に戻るんだという意識でした」
ところが、絶頂期にあった’77年7月17日、キャンディーズは突然、解散を発表する。
「普通の女のコに戻りたい」
日比谷野外音楽堂でのライブで、蘭さんが泣きながら放ったこの言葉は、流行語にもなった。
解散に踏み切った3人の決意に、ファンも涙ながらに呼応した。