新田恵利さん「車いすの母のために畳を床張りにDIYしました」
それでも、自分でやろうと考えた。
「行政を通すと申請にも時間がかかります。また、施工業者とのスケジュールの調整なども必要です。でも、DIYなら私たち夫婦のスケジュールが合えばすぐにできる。それで、会社員の主人が仕事を休める週末に、『やっちゃおう』って決めたんです」
1つ問題があった。改築する間、母に部屋を空けてもらう必要があったが、ふだん通っている施設には宿泊サービスはなかったのだ。
「最初、雑談の中で、母に宿泊のことを伝えているときは平気だと言っていたんですが……。ケアマネジャーさんに教えてもらったショートステイの施設が、1泊はダメで2泊からと聞いた途端、『行きたくない』と泣いて嫌がったんです」
新田さんが、背中をさすり、「畳で車いすは動きにくいでしょう」と諭しても、『大丈夫』と強がった。
「私のほうが泣きたくなりました」と振り返る新田さんだが、助け船を出したのはご主人だ。
「主人が『お母さんがケガをしないようにしたいから2日間がまんしてくれる?』と言うと、主人には気を使う母が『うん』と素直にうなずいてくれました」
母は無事に施設に入り、リフォームが始まった。
「介護ベッド以外の家具と荷物を隣の部屋へ移動させました。