行方不明者2万人超えも…認知症患者激増する「2025年問題」
■認知症患者の保有資産187兆円を狙った詐欺の横行
警察庁によると、’18年に起こったオレオレ詐欺やアポ電詐欺などの特殊犯罪の件数は1万6,000件以上。1件あたり、平均約230万円もの被害が出ている。第一生命経済研究所では、認知症患者の保有する金融資産が、’25年には187兆円に達すると推計している。
「“ターゲットにするなら認知症の人。なぜならお金もあるし、だまされていることに気づきにくい”と言わんばかりに、詐欺集団も彼らを集中的に狙うことになるでしょう」(武藤さん)
【対策】
「認知症の人の資産を守るために、本人の意思を尊重しつつ、早めに後見人を選定したいところ。また、オレオレ詐欺に関しては、電話をしながらATMを利用している高齢者に声をかけるなど、地域や金融機関でも犯罪防止に取り組む必要があるでしょう」(武内さん)
■行方不明者は2万人超え。うち3%は死者に……
昨年1年間に警察に届け出があった行方不明者全体のうち、認知症患者の割合はおよそ20%、その数は1万6,927人にものぼった。そのうち、徘徊の末に死亡が確認されたのは508人だった。
認知症の行方不明者数は、’12年の調査から、年々増加している。