行方不明者2万人超えも…認知症患者激増する「2025年問題」
1人が見ることができる患者の人数にも限界がありますから、このような状況で、増え続ける認知症の人を受け入れることはできません。無理に押し込めると、劣悪な環境のもとで認知症が悪化してしまう懸念さえあるのです」
【対策】
武内さんは“在宅介護がベスト”としつつも、家族によるサポートの限界に理解を示す。
「たとえ認知症の人の独居であっても安心できるくらいの、医療や介護、見守り、生活支援など、24時間体制の包括ケアサービスが拡充されるべきです。そして、利用できる制度について知っておくこと。65歳以上で一定の収入がない場合、さまざまな介護サービスが1割負担で利用できますが、家族がそれを知らずに抱え込んでしまう場合も多いです。自治体の介護保険課に、在宅介護時に使える制度がないか相談してみましょう」
若手弁護士のつながりの場や、介護事業のトップリーダーの講演などを企画している「KAIGO LEADERS」代表の秋本可愛さんは、年々認知症患者が増えていくなかで、彼らを受け入れる社会づくりが大事だと訴える。「認知症の方々が、地域の人たちに『ありがとう』と言ってもらうような機会をもっとつくっていくべき。