かんぽ不正契約問題 被害者が語る“郵便局員の押し売り実態”
かんぽ生命は保険の販売を日本郵便の郵便局に委託し、手数料を支払っている。契約数の9割は郵便局員が販売しているのだが、契約件数は勤務の評価の大きな割合を占めており、過剰なノルマも課せられているのが実情なのだ。A子さんが証言を続ける。
「姑はパートで稼いだお金を、ゆうちょの口座にコツコツ貯金していました。そして私が出産して初孫ができたわけですが、そこに目をつけられてしまったのです」
その年、A子さんの姑は初孫を被保険者とする300万円の学資保険に加入した。当時、義父母とは同居していなかったA子さんのもとを担当者・X氏が訪れ、親権者であるA子さんのサインを求めてきたのだ。
「そのときは姑の気持ちをありがたく思ったのですが、実はトラブルの始まりでもあったのです」
その契約から2カ月もたたないうちに、X氏はA子さんのもとを再訪。今度は姑がA子さん夫妻を被保険者とする「終身保険」を契約、さらに舅の名義で孫の「学資保険」も追加で契約していた。
その後もX氏の来訪は繰り返され、いぶかしく思っていたところ、ついに実態が判明した。
「きっかけは私たち家族が義父母との同居を始めたことでした。同居を始めてすぐに、当時79歳の姑が『お金がない、ない』と言うので、年金ももらっているのになぜだろう?と思ったのです。