かんぽ不正契約問題 被害者が語る“郵便局員の押し売り実態”
姑に確かめてみると、なんと、かんぽ生命への月々の支払いが30万円を超えていて……。パートでためていたはずの姑のゆうちょ口座はすでに底をつき、舅の貯金まで取り崩しながら生活している状態でした。姑はX氏の『ご家族のためです』という言葉を信じ、勧誘されるままに保険を契約していたのです」
狡猾なことに、A子さんの義母が支払いが苦しいことを訴えるとX氏は保険を解約させ、返戻金を受け取ることを勧めていたのだ。
「その返戻金で、また新しい契約を結ばせることを繰り返していました。姑は保険の内容について十分な説明を受けていませんでしたが、『郵便局のXさんが“いい保険ですよ”と、おっしゃっているから』と信じ切っていました。私たちが慌てて証券をすべて確認したところ、支払総額は2千万円!仰天してしまいました」
また解約返戻金は掛金より目減りする。保険の乗り換えを繰り返したことで、計600万円近くものマイナスになっていたのだ。
「事実を教えると、姑は『そんなこと知らなかった』と泣き崩れ、悄然としていました………」
不利益契約急増の背景について、自身も保険募集人の資格を持つ1級ファイナンシャルプランニング技能士の大野高志さんは次のように語る。