チャゲが語るデビュー40年「もう一度、ASKAと一緒に歌を!」
スタジオのスタッフたちも、声が出ない。
「これは、いい!」
CHAGE and ASKAの誕生だった――。
それから1カ月。スタジオにこもりきりで練習し、つま恋に臨んだ。しかし、本選のレベルは高く、グランプリを逃してしまう。
「人生でいちばん練習した時期です。いまでも練習するけど、二人とも19~20歳だったから、やればやった分だけうまくなる。面白くってしょうがなかった」
翌年の第17回ポプコンには大きな自信を持って臨んだ。
ASKAが作った『ひとり咲き』の完成度は高く、周囲からもグランプリ候補と目されていたが、本番で進行を間違え、結果は入賞。
しかし、落ち込んでいるヒマはなかった。グランプリ受賞者が契約するのとは別のレコード会社が、手を挙げてくれたのだ。
「『すごくいいよ、キミたち』と。大きな流れに乗せられて、あれよあれよという間にデビューです」
’79年8月25日、つま恋で歌った『ひとり咲き』をリリース。
「デビューが決まってからは、敷かれたレールの上を走る暴走列車に乗り込んだようなものでした」
二人で上京し、渋谷区の同じマンションに住んだ。レコード会社は破格のプロモーションをかけてくれた。