睡眠惜しみ翻訳家に、“億資産”築いた原点はかつての貧しさ
「振り返ってみると、いままでの人生に無駄なことは何一つなかったと思えます」
翻訳業と不動産投資で“億女”になった星野陽子さんは、短大時代の就職活動では緊張しやすい性格もあり、なかなか内定が得られなかった。卒業間際に制御機器メーカーに採用され、輸出部に配属されたのが社会人の第一歩だ。
「自社製品の説明ができるようになるため仕様書を読むのですが、意味がわからなくて。工場に出かけ、技術者に教えてもらったりしたのですが、自分のライフワークではないことに時間を費やしている焦燥感に苛まれる日々でした」
ナポレオン・ヒルなどの自己啓発書を読みあさり、「私はできる」とつづるなど、向上心を持ち続けた。そして、女性が活躍できる職場を求めてシティバンクに転職をはたす。ディーリングなど、いわゆる花形部署ではなく窓口業務に従事したが、年収はアップ。
そんな折に顧客として来店したユダヤ人男性と出会い、交際1年で結婚しシティバンクを退社。ほどなく妊娠した。
浪費家でお金が貯まらない星野さんの実家と違い、嫁ぎ先の義父母は資産家でお金を大切にしていた。無駄なものは買わず、あるものを修理して大切に使い続ける“お金に敬意を持ち豊かに生きる哲学”を学んだ。