50代の恋愛描いた『平場の月』朝倉かすみさんの恋愛観にも変化?
去年、某通販会社の社長と若い女優さんの恋愛模様がニュースになったとき、『(男性に結婚の意思がないらしく)女優さんがかわいそう』という声が多くて驚いた覚えがあります。幸せを“結婚できるかどうか”で判断しがちな風潮には疑問しかありません」
確かに、須藤は青砥からの(結婚の)申し出を断り、さらにある選択をする。
「彼女が『誰にどんな助けを求めるのかは私が決めたい』と語るところは、自分もそうだな、と思いました。『私は特に大好きな人には世話になりたくないんだ』と考える人もいるだろうって。支え合うのをよしとする人もいるけれど、そうでない人もいるんです。私はひとりでごはんを食べてひとりで過ごすのが好きなんですが、まったく理解できないという人がいるのと同じで。年を重ねると、自分の我というか、思いがより強くなりがちだから、衝突する場合もあるでしょうね。そういう意味でも、50歳からっておもしろいと思うんです。
若いころは思いを口にできなかったけれど、年をとってハッキリ言えるようになることもあるじゃないですか。そうしたら、今までとまったく違うタイプの人と新しい関係を築けるようになるかも、というのは明るいニュースですよね。