くらし情報『長野智子、仕事との両立にもがき続けた不妊治療8年』

長野智子、仕事との両立にもがき続けた不妊治療8年

子どもがいる人がうらやましくて、親子連れがいる場所は避けちゃったり……」

そんなとき脳裏をよこぎったのは、グチャグチャに破壊されたパレスチナの町で出会い、親しくなったネタさんの言葉だ。

「彼女は、イスラエル人でありながら、『このまま闘い続けてはいけない』と、パレスチナ側に立って市民活動をする勇敢な女性でした」

体外受精にトライしてはうまくいかないというサイクルを繰り返していたころ、ネタさんに再会。そのとき彼女は4人の子どもを産み、育てていた。「子育てって、すごく楽しい」と、言うネタさんに、長野さんは打ち明けた。

「もしかしたら、私は(子どもが)できないかもしれない……」

ネタさんはこう言った。

「私は幸せだけど、市民活動はできないわ。いまの私が救えるのは、4人の子どもだけ。でも、智子。
あなたはこうして取材をして、日本で伝えることで、たくさんの子を救うことになるの。子育てしている私と仕事をしているあなた。これってイーブンなんだよ」

長野さんは、その場で大号泣したという。治療を断念した直後、新番組『報道ステーションSUNDAY』のメインMCに抜擢された。’11年10月のことだ。

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