EUでは輸入禁止、米国産「ホルモン牛」に発がんリスクの危険
肥育ホルモン剤が使われていない国産牛肉や豚肉を食べればいいと思うかもしれないが、現在国産牛肉の自給率は36%、豚肉は48%と、国内生産は年々減少傾向である。前出の鈴木教授は、関税の引き下げで自給率はさらに下がると警鐘を鳴らす。
「私の研究室では、このままだと’35年に牛肉の自給率が16%。豚肉の自給率は11%にまで下がると試算しています。このまま自給率が下がれば、スーパーなどの食品売場には、輸入品だらけの状態になるでしょう」
牛肉、豚肉に限らず、安全な食品が“ほとんどない”状態が目前に迫っているという。
「米国の乳製品もこれから国内にどんどん入ってきます。米国の乳牛には、エストロゲンとは別の遺伝子組み換えのホルモンが投与されています。このホルモンも、乳がん発症リスクを何倍も高めるという論文があります。
輸入が増えれば、国内の生乳、乳製品はますます売れなくなり、酪農家が廃業に追い込まれる。すると、国産のものが減り、米国産の乳製品がさらに市場を席巻することになりかねない」(鈴木教授)
私たち消費者はどうするべきなのだろうか。「まず、今後も続いていく日米の貿易交渉の実態を知ること」