2019年10月4日 15:50
不公平を専門家が指摘!iDeCo加入要件緩和は公務員の優遇だ
こうしたiDeCo制度は’02年に始まりました。当初は、自営業者と企業年金のない会社員が対象。特に自営業者の公的年金は、国民年金だけの“1階建て”ですから、会社員のように国民年金の上に厚生年金が積み上がる“2階建て”と比べると、老後の不安が大きいです。iDeCoで老後の備えを厚くすることが目的でした。
その後、企業年金のある会社員や公務員なども加入できるように、iDeCoの加入要件を広げようとする議論がありました。ですがそのたび、公務員のiDeCo加入には、強い反対があったのです。
というのも、公務員はすでに、国民年金の上に厚生年金があり、さらに「年金払い退職給付」が重なった“3階建て”。iDeCoの加入を認めると、ひときわ手厚い“4階建て”になるからです。
また、国民の平均年収が約432万円(’17年分・国税庁)に対して、公務員の平均年収は約686万円(’18年・人事院)。iDeCoは所得税率の高い高給取りほど節税効果が高いものですから、そもそも税金から給料が拠出されている公務員が、大きな節税メリットを受けるのはおかしいと反対されたのです。