くらし情報『新朝ドラヒロイン“モデル”陶芸家・神山清子さんの壮絶半生』

2019年10月28日 11:00

新朝ドラヒロイン“モデル”陶芸家・神山清子さんの壮絶半生

1年ほどが過ぎ、社内でもやっと腕前が正当に評価されるようになったころ、絵を褒めてくれる男性が現れた。1つ上の先輩だった。2人は交際を始め、やがて結婚。神山さん21歳のときだ。ほどなく1男1女の子宝にも恵まれる。貧乏暇なしの暮らしぶり、それでも十分幸せだった。

神山さんが就職した当時、信楽の陶器産業は隆盛を極めていた。戦争で鉄や金物が不足した影響もあって、陶器はさまざまな場面で重宝された。
とくに暖房器具の火鉢は飛ぶように売れ、最盛期、信楽は全国シェア8割を占めた。

「ところがや、石油ストーブや、家電製品が普及し始めると、火鉢の売れ行きは急にストップや」

火鉢の絵付けが主な仕事だった神山さんは、およそ10年勤めた会社をあっさりと辞めた。そして、次に自分が何をすべきか、必死になって考えた。いま、信楽焼にないものは何かを。

「食器やと思った。焼き物の町なのに皆、九谷焼の食器を使ったりしてた。それであるとき、子どもが泥だんご作って遊んでるのを見てて『これや!』と思いついてん」

土のだんごをいくつも並べるようにして、大皿に仕立てた。できあがったのは素朴な味わいの「小紋様皿」。
陶芸家・神山清子のオリジナル作品、第1号だ。

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