くらし情報『500年の歴史を持つ虎屋の長女が老舗仏菓子店を継いだ理由』

2020年2月3日 11:00

500年の歴史を持つ虎屋の長女が老舗仏菓子店を継いだ理由

加えて、彼女は和菓子店の老舗に育って、伝統をどう継承していくかということも身に染みて体験してきている。彼女ほどふさわしい人はいないと思いました」

黒川さんが社長になり、13年、広尾にルコントは復活。オープン50周年の節目にルコント氏の故郷を訪れた黒川さんは、遠路はるばる日本にやってきた菓子店の歴史に思いを馳せ、同時に「虎屋」の挑戦が脳裏によぎったという。

「ムッシュ・ルコントとは逆に、私の祖父たちが40年近く前にパリ出店を決めた時も、同じ状況だったのだと知りました。羊羹をフランスの人たちが『黒い石鹸』と間違えたという逸話も耳にしています。そんな時代ですから、周囲からは、さぞ無謀な挑戦と思われたことでしょう。でも、今、自分もルコント再生に関わってわかるんです。苦労や挫折もあっただろうけれど、大好きなお菓子のことですから、きっと喜びの方が大きかったんだろうなって」

羊羹とケーキの違いはあろうと、気持ちはきっと変わらない。
先達の思いを黒川さんも共有しながら、今、ルコントは次の50年に向かって進み始めた。

「歴史に敬意を払いつつ、伝統として守るべきものは守りながら、時代に合わせて変えていくことも恐れずにチャレンジしたい。

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