くらし情報『子宮摘出で結婚断念 資産150億の旧家長女が人生でやり残した事』

2020年2月17日 11:00

子宮摘出で結婚断念 資産150億の旧家長女が人生でやり残した事

「お姉ちゃん、握りこぶしみたいなのが2つと小さいの、全部で3つもあったんよ。だからね…」

筋腫があまりに大きすぎ、子宮を全摘出されていたのだ。

「え~っ!」

悲鳴のような声をあげたきり、孝子さんは病室で泣き続けた。

「子供を産めない体になってしまった。今の医療なら子宮を残せたかもしれませんが、当時は、その技術がなかったんでしょう。北村家の後を継ぐという私の使命は、この時点で終わりです」

その夜、目尻から再び涙がにじみ出た。そして思った。

「私も……ダメだこりゃ、だよね。
もう、結婚もせんとこ」

それから9年後、養子を取って結婚した妹の倫子さんが、玉のような男の子を産んだ。

「妹のベッドを挟んで、大喜びする両親を見て、私も本当に嬉しかった。『これで北村家も安泰や』と、年寄りみたいやけど、思いました」

それからも孝子さんは、親族の介護に相続問題や、父が亡くなった後の事業の継承に奔走することになる。

常に、自分ではない誰かのために動いてきた。父のため、家族のために尽力して、今になってようやく自分らしいシングルライフを満喫している。

「この人生でやり残したことは、ただ1つ。

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